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ストレージプールとは?RAID・ボリュームとの違い

ストレージプールとは?RAID・ボリュームとの違い

17/10/2025

UGREEN NASの管理画面でストレージを設定しようとすると、「ストレージプール」「ストレージスペース」「RAID」という3つの用語が並びます。

この3つは同列の選択肢ではなく、階層構造になっています。物理ディスクをまとめたものがストレージプール、その中に切り出す保存領域がストレージスペース、そしてRAIDはプールを作るときに決める保護方式です。

キーポイント

  • ストレージプールは物理ディスクの集まり、ストレージスペース(ボリューム)はその中に切り出す保存領域です。 RAIDはプール作成時に選ぶ保護方式です。
  • プールの作成はディスクを初期化します。 既存のデータはすべて消去されるため、作成前のバックアップが必須です。
  • RAIDタイプは、作成後はアップグレード方向にしか変更できません。 作成時の選択が、その後の構成を長く縛ります。
  • 1つのプールに複数のストレージスペースを作成し、用途ごとに分けて運用できます。
  • プールが失われると、その上のすべてのストレージスペースが同時に失われます。 RAIDはバックアップの代わりにはなりません。

ストレージ構成の順番

UGREEN NASのストレージ構成は、次の順番で理解すると分かりやすくなります。

HDD/SSD
  ↓
ストレージプール
作成時にRAIDタイプを選択
  ↓
ストレージスペース
容量とファイルシステムを設定

各用語の役割は次の通りです。

用語 役割 主に設定する内容
HDD/SSD データを記録する物理ドライブ 台数、容量、型番
RAID 複数ドライブへのデータ配置方式 容量効率、耐障害性、性能
ストレージプール ドライブをまとめて管理する容量の単位 使用するドライブ、RAIDタイプ
ストレージスペース/ボリューム プールから切り出す論理的な保存領域 容量、ファイルシステム

ストレージプールとは

ストレージプールは、NASに搭載した1台以上のHDDやSSDをまとめて管理するための領域です。

複数ドライブを使用する場合は、プール作成時にRAID 0、RAID 1、RAID 5、RAID 6などのRAIDタイプを選びます。1台のドライブをBasic構成で使用する場合も、ストレージプールを作成します。

RAIDタイプによって、必要なドライブ数、使用可能容量、故障への備えが変わるため、プールを作成する前にRAIDタイプごとの選び方を確認してください。

ストレージプール自体は、ユーザーが直接ファイルを保存する場所ではありません。プールの容量からストレージスペースを作成し、その上に共有フォルダを配置します。

ストレージプールの作成は、対象ディスクをフォーマットする破壊的な操作です。

プールに組み込むディスクの中身は、すべて消去されます。 他のNASやPCで使っていたHDDを流用する場合、その中のデータは作成時に失われます。作業前に、必要なデータを別の保存先へ退避してください。

さらに重要な点として、プールの構成は後からやり直すことが困難です。 RAIDタイプの変更はアップグレード方向に限られ、構成をゼロから組み直すにはプールの削除(=全データの消去)が必要になります。作成時の選択が、その後の運用を長く縛ります。

RAIDはストレージプールの構成方式

RAIDは、ストレージプールの上に後から重ねる独立した領域ではありません。

UGOS Proでは、ストレージプールを作成するときに、使用するドライブとRAIDタイプを同時に選択します。RAIDタイプによって、使用可能容量、故障に耐えられるドライブ数、必要な最低ドライブ数が変わります。

RAIDの種類と選び方はRAID構成の選び方ガイドで解説しています。プール作成前に、どのRAIDタイプを使うかを決めておいてください。

ストレージスペースは実際の保存領域

ストレージスペースは、ストレージプールの容量から切り出して作成する論理的な保存領域です。

作成時には、主に次の項目を設定します。

  • 使用する容量
  • ファイルシステム
  • 容量警告
  • その他のストレージ設定

RAID・ストレージプール・ボリュームの違い

3つの用語は、次のように区別します。

RAID

RAIDは、複数のHDDやSSDへデータをどのように配置するかを決める方式です。

RAID 1では同じデータを複数ドライブへ保存し、RAID 5やRAID 6ではパリティを使ってドライブ障害に備えます。RAID 0は容量と性能を優先しますが、冗長性はありません。

ストレージプール

ストレージプールは、RAIDタイプを含めたドライブ構成をまとめて管理する単位です。

ドライブの健康状態、使用可能容量、RAIDの状態、再構築状況などは、ストレージプール単位で管理します。

ストレージスペース/ボリューム

一般的なNAS製品で「ボリューム」と呼ばれる論理的な保存領域に近いものが、UGOS Proの「ストレージスペース」です。

ストレージスペースにはファイルシステムを設定し、その上に共有フォルダを作成します。

ストレージスペースは複数に分けるべき?

1つのストレージプールから、複数のストレージスペースを作成できます。

1つで十分な場合

次のような用途なら、1つの大きなストレージスペースで管理し、共有フォルダで用途を分ける方法が分かりやすいです。

  • 家族写真や動画の保存
  • PCやスマートフォンのバックアップ
  • 家族ごとの個人フォルダ
  • 家庭内の共有フォルダ
  • メディアファイルの保存

共有フォルダごとに権限を設定できるため、ユーザーや用途を分けるだけなら、複数のストレージスペースは必須ではありません。

複数に分ける場合

次のような場合は、ストレージスペースを分ける意味があります。

  • 用途ごとに使用可能容量を明確に分けたい
  • 一方の用途が容量を使い切るのを防ぎたい
  • 異なるファイルシステムを使い分けたい
  • 業務用と個人用を管理上分離したい
  • アプリや仮想マシン用の領域を独立して管理したい

ただし、分けたスペースは同じプールの上にあるため、プール自体に障害が起きれば、すべてのスペースが同時に影響を受けます。 スペースを分けることは、データの整理には有効ですが、障害対策にはなりません。

作成前に決めること・後から変えられること

プール作成の判断で最も重要なのが、この区別です。

項目 後からの変更
プールへのディスク追加(容量拡張) 可能。 空きベイにディスクを追加して拡張できる
ストレージスペースの追加作成 可能。 プールの空き容量から追加できる
RAIDタイプの変更 限定的に可能。 Basic → RAID 1 → RAID 5 のアップグレード方向のみ
RAIDタイプのダウングレード(RAID 5 → RAID 1など) 不可。 プールの削除と再作成が必要
プール構成のやり直し 不可。 プールを削除すると、その上の全データが消去される

RAIDタイプの変更は、アップグレード方向に限られます。手順と条件はRAIDタイプを変更する方法で解説しています。

この表の意味は明快です。 容量は後から増やせますが、RAIDの方向性は最初に決めたものから戻れません。「まずBasicで作って、後でRAID 5にする」は可能ですが、「RAID 5で作って、後でRAID 1に戻す」はできません。作成時に、必要な冗長性を見極めてください。

UGOS Proでストレージプールを作成する手順

  1. ストレージストレージ管理ストレージプールとスペース を開きます。
  2. 作成ストレージプール をクリックし、作成ウィザードに進みます。
  3. プールに組み込むハードディスクと、RAIDタイプを選択します。 選択できるRAIDタイプは、搭載しているディスクの台数によって変わります(RAID 5には3台以上が必要です)。
  4. 必要に応じて、ハードディスクの検査を実行するかを選択します。
  5. ストレージスペースの容量とファイルシステムを設定します。 容量はデフォルトで最大値が入りますが、後からスペースを追加する予定があれば、ここで調整します。
  6. 作成 をクリックすると、初期化が始まります。この時点でディスクのデータは消去されます。
  7. リスク通知を確認し、「すべてのデータを削除する」をクリック、パスワードを入力して確定します。

ストレージスペースを追加作成する

プールに空き容量が残っていれば、後からストレージスペースを追加できます。

  1. ストレージプールとスペース で、対象のプールの右側にある「…」をクリックします。
  2. ストレージスペースの作成 を選択します。
  3. 容量とファイルシステムを設定して作成します。

この操作はプールを初期化しないため、既存のスペースとデータには影響しません。

作成時によくある失敗

失敗 何が起きるか 対策
RAIDタイプの選択ミス 冗長性が必要な環境でBasicやRAID 0を選ぶと、ディスク1台の故障で全データを失う 作成前に必要な冗長性と容量効率を確認する。ダウングレードはできない
SMRディスクの使用・混在 書き込み性能が低下し、RAIDの再構築が極端に遅くなる、または失敗する CMR方式のNAS用HDDを使う。対応デバイス一覧で互換性を確認する
容量警告の放置 プールの空き容量が尽きると、書き込みができなくなる 管理画面で容量アラートを設定し、定期的に使用量を確認する
プール構成をバックアップの代わりと考える プール障害時に、上のすべてのスペースが同時に失われる RAIDとは別に、外部媒体へのバックアップを設計する

よくある質問

ストレージプールとストレージスペース(ボリューム)の違いは何ですか?

ストレージプールは、複数の物理ディスクを1つにまとめた単位です。RAIDタイプはこのプール作成時に決めます。ストレージスペース(ボリューム)は、そのプールの容量から切り出す保存領域で、ファイルシステムはここで決めます。ディスクを束ねてプールを作り、プールの中にスペースを切り出す、という順序になります。

ストレージスペースごとにRAIDを変えられますか?

できません。RAIDはプール単位で設定されるため、同じプール上のストレージスペースはすべて同じRAID構成の保護下に入ります。異なるRAID構成を使いたい場合は、別のプールを作成する必要があります。

プールの容量は後から増やせますか?

増やせます。空きベイにディスクを追加することで、既存のデータを保持したままプールの容量を拡張できます。ディスクの追加手順はHDDの交換・増設ガイドで解説しています。

まとめ

ストレージプールは物理ディスクの集まり、ストレージスペース(ボリューム)はその中に切り出す保存領域、RAIDはプール作成時に決める保護方式です。ディスクを束ねてプールを作り、プールの中にスペースを切り出す——この順序を理解すれば、管理画面の構造は明快になります。

容量は後から増やせます。しかし、必要な冗長性は最初に決めなければなりません。プールを作る前に、どのRAIDタイプで運用するかを確認してください。そして、RAIDを組んでもバックアップは必要です。プールが失われれば、その上のすべてのデータが同時に失われます。

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